ひとこと言いたい!プロジェクト☆スタッフからのメッセージ④☆
2012年 02月 02日
橋下市長は当選直後の記者会見の中で、
「この民意を無視する職員は、大阪市役所から去ってもらいます」
「まず自主退職です。今回の選挙戦を通じて、政治に足を踏み込みすぎたと、政治に介入しようと思っている職員は潔く市役所を去ってもらいたい」と発言した。
「解雇するぞ」「それが嫌なら自分から辞めろ」と先制パンチを喰らわせたのだ。
その発言を聞き、「こんなにも簡単に、人を解雇すると言うことが許されていいのか?」
と疑問に思うと同時に、「解雇はトップの一存で簡単に出来る、そう思う人たちが増えるに違いない」と不安が過ぎった。
それからというもの、テレビは連日その場面を流し続けた。
「大阪市役所から去ってもらいます」と発言する彼を見る度に、
お笑い芸人が罰ゲームで熱湯風呂に入る時、
画面の片隅に「マネしてはいけません!」とテロップが入るように、
「各テレビ局は『絶対にマネしてはいけません!
解雇は簡単に出来ません!』ってテロップ入れてくれよ!」と怒り、非常に迷惑に思っていた。
この発言に対する批判をブログに書くと、日頃、閲覧者もほとんどいない影の薄いブログが史上最高のコメント数を叩き出し、一気に炎上した。橋下さんを支持する人たちから、非常に暴力的かつ差別的な言葉で多くの批判を受けた。橋下さんの政治手法を少しでも批判しようものなら、一方的に国外退去を命じられ、身の危険を感じるほどの罵詈雑言を浴びせられるのだ。
その中で、私が最も悲しかったのは、こんな言葉だった。
「公務員はいいよなぁ、身分が保障されてて。民間だったらすぐクビだよ」
「トップがクビって言ったら、クビなんだよ!」
橋下さんの口癖「民間だったらすぐクビですよ」に煽られ、公務員は身分保障されているが、民間で働く人達には何もないと思っている人は多い。橋下さんの言動を見ていると、「本人の意に反して解雇出来ない」というのは、あたかも公務員だけに保障されているもののように受け止められるが、「本人の意に反して解雇は出来ない」のは、民間で働く人たちも同じなのだ。一方的かつ恣意的な解雇をする使用者が後を絶たないという残念な現実があるだけで、本来、公務員であろうが民間で働く人であろうが、「本人の意に反して解雇は出来ない」のは同じなのだ。
そもそも公務員の身分保障がどうとか言う前に、そんな風に簡単に人を解雇してしまう民間企業のあり方自体を問うべきだろう。
一部で、橋下さんの支持層は、20代~30代の非正規労働者だと言われている。
実際、今回の選挙で、20代~30代の7割が橋下さんを支持していたそうだ。
もしそれが事実なら、大学を卒業してからのほとんどの時間を非正規として働き、解雇され、失業を経験した1人として、私は伝えたいことがある。
2010年3月末、有期雇用であることを理由に、私は、兵庫県にある某私立大学を雇い止め解雇になった。1年ごとの契約更新で4年間勤務した。「恒常的な業務であるならば、数年ごとに人を入れ替えず継続雇用すればよい」と考え、労働組合に加入し、争議を始めもうすぐ3年を迎える。解雇撤回争議は、今も続いている。
ひとつ疑問がある。橋下さんは、大阪市長に就任してからこの間、非正規問題にかかわる政策を何か打ち出しただろうか?連日、新しい政策を次から次へと打ち出しているけど、未だかつて非正規問題に関する政策はひとつとして打ち出していないよね?それでなんで、「橋下さんが変えてくれる」と信じられるの?
例えば、京都市長選に出馬されている中村和雄さんは、弁護士として非正規問題に関ってこられた実績も多く、こういう方が非正規労働者層に指示されるのは道理にかなった話だ。しかし、橋下さんには何があるの?判断材料となるものを、私は見つけられない。
大阪では公務員バッシングが加熱しているが、
ところで、公務員を叩いたら、私たち非正規の給与は上がるのだろうか?待遇は改善される?
公務員を叩いたら、派遣労働はなくなるの?有期雇用もなくなってくれる?
公務員を叩いたら、私たちの生活は今より俄然良くなる?ワーキングプアから抜け出せる?この閉塞感とやらからも脱出できるの?
そんな単純な話だろうか?
公務員の中にも、官制ワーキングプアと呼ばれる非正規労働者がたくさん雇用されている。
大阪の公立学校は、5000人の常勤講師、3000人の非常勤講師、計8000人の非常勤の教師によって、どうにか支えられている。橋下さんは、市役所職員の約30%、1万2千人を削減すると言っているが、まず最初に解雇の対象になるのは非正規からだろう。だって、正規より非正規の方がクビを切りやすいもの。
橋下さんがやろうとしていることは、下のレベルに合わせようってことだ。
非正規労働者の劣悪かつ不条理な雇用の状態を、せめて標準レベルに持ち上げようとか、そんな話じゃまるでない。橋下さんは、公務員の給与を民間並みに下げると言うが、それやったら、民間の給与や待遇は更に悪くなるだろう。みんなで共倒れだ。
公務員バッシングは、私たち非正規への一種のガス抜き。
一時溜飲は下がるけど、私たちが抱える現実が変わるわけでは決してない。
私たちがたたかう敵は、公務員じゃない。別にいる。
私は、私を雇い止め解雇した大学とたたかっているというよりも、
有期雇用を生み出し、温存し続け、人を使い捨てることに平気になったこの社会を相手に、自分の今のたたかいはあると思っている。「おおげさだなぁ」「バカかよ」と笑ってくれて結構!私は本気だ!
橋下さんに煽られ、公務員バッシングに同調している人たちへ。
とりわけ、そこにいる非正規労働者の人たちへ。
たたかうなら、本物の敵とたたかおう!
たたかう相手は、そこにはいない。
☆椿☆
「この民意を無視する職員は、大阪市役所から去ってもらいます」
「まず自主退職です。今回の選挙戦を通じて、政治に足を踏み込みすぎたと、政治に介入しようと思っている職員は潔く市役所を去ってもらいたい」と発言した。
「解雇するぞ」「それが嫌なら自分から辞めろ」と先制パンチを喰らわせたのだ。
その発言を聞き、「こんなにも簡単に、人を解雇すると言うことが許されていいのか?」
と疑問に思うと同時に、「解雇はトップの一存で簡単に出来る、そう思う人たちが増えるに違いない」と不安が過ぎった。
それからというもの、テレビは連日その場面を流し続けた。
「大阪市役所から去ってもらいます」と発言する彼を見る度に、
お笑い芸人が罰ゲームで熱湯風呂に入る時、
画面の片隅に「マネしてはいけません!」とテロップが入るように、
「各テレビ局は『絶対にマネしてはいけません!
解雇は簡単に出来ません!』ってテロップ入れてくれよ!」と怒り、非常に迷惑に思っていた。
この発言に対する批判をブログに書くと、日頃、閲覧者もほとんどいない影の薄いブログが史上最高のコメント数を叩き出し、一気に炎上した。橋下さんを支持する人たちから、非常に暴力的かつ差別的な言葉で多くの批判を受けた。橋下さんの政治手法を少しでも批判しようものなら、一方的に国外退去を命じられ、身の危険を感じるほどの罵詈雑言を浴びせられるのだ。
その中で、私が最も悲しかったのは、こんな言葉だった。
「公務員はいいよなぁ、身分が保障されてて。民間だったらすぐクビだよ」
「トップがクビって言ったら、クビなんだよ!」
橋下さんの口癖「民間だったらすぐクビですよ」に煽られ、公務員は身分保障されているが、民間で働く人達には何もないと思っている人は多い。橋下さんの言動を見ていると、「本人の意に反して解雇出来ない」というのは、あたかも公務員だけに保障されているもののように受け止められるが、「本人の意に反して解雇は出来ない」のは、民間で働く人たちも同じなのだ。一方的かつ恣意的な解雇をする使用者が後を絶たないという残念な現実があるだけで、本来、公務員であろうが民間で働く人であろうが、「本人の意に反して解雇は出来ない」のは同じなのだ。
そもそも公務員の身分保障がどうとか言う前に、そんな風に簡単に人を解雇してしまう民間企業のあり方自体を問うべきだろう。
一部で、橋下さんの支持層は、20代~30代の非正規労働者だと言われている。
実際、今回の選挙で、20代~30代の7割が橋下さんを支持していたそうだ。
もしそれが事実なら、大学を卒業してからのほとんどの時間を非正規として働き、解雇され、失業を経験した1人として、私は伝えたいことがある。
2010年3月末、有期雇用であることを理由に、私は、兵庫県にある某私立大学を雇い止め解雇になった。1年ごとの契約更新で4年間勤務した。「恒常的な業務であるならば、数年ごとに人を入れ替えず継続雇用すればよい」と考え、労働組合に加入し、争議を始めもうすぐ3年を迎える。解雇撤回争議は、今も続いている。
ひとつ疑問がある。橋下さんは、大阪市長に就任してからこの間、非正規問題にかかわる政策を何か打ち出しただろうか?連日、新しい政策を次から次へと打ち出しているけど、未だかつて非正規問題に関する政策はひとつとして打ち出していないよね?それでなんで、「橋下さんが変えてくれる」と信じられるの?
例えば、京都市長選に出馬されている中村和雄さんは、弁護士として非正規問題に関ってこられた実績も多く、こういう方が非正規労働者層に指示されるのは道理にかなった話だ。しかし、橋下さんには何があるの?判断材料となるものを、私は見つけられない。
大阪では公務員バッシングが加熱しているが、
ところで、公務員を叩いたら、私たち非正規の給与は上がるのだろうか?待遇は改善される?
公務員を叩いたら、派遣労働はなくなるの?有期雇用もなくなってくれる?
公務員を叩いたら、私たちの生活は今より俄然良くなる?ワーキングプアから抜け出せる?この閉塞感とやらからも脱出できるの?
そんな単純な話だろうか?
公務員の中にも、官制ワーキングプアと呼ばれる非正規労働者がたくさん雇用されている。
大阪の公立学校は、5000人の常勤講師、3000人の非常勤講師、計8000人の非常勤の教師によって、どうにか支えられている。橋下さんは、市役所職員の約30%、1万2千人を削減すると言っているが、まず最初に解雇の対象になるのは非正規からだろう。だって、正規より非正規の方がクビを切りやすいもの。
橋下さんがやろうとしていることは、下のレベルに合わせようってことだ。
非正規労働者の劣悪かつ不条理な雇用の状態を、せめて標準レベルに持ち上げようとか、そんな話じゃまるでない。橋下さんは、公務員の給与を民間並みに下げると言うが、それやったら、民間の給与や待遇は更に悪くなるだろう。みんなで共倒れだ。
公務員バッシングは、私たち非正規への一種のガス抜き。
一時溜飲は下がるけど、私たちが抱える現実が変わるわけでは決してない。
私たちがたたかう敵は、公務員じゃない。別にいる。
私は、私を雇い止め解雇した大学とたたかっているというよりも、
有期雇用を生み出し、温存し続け、人を使い捨てることに平気になったこの社会を相手に、自分の今のたたかいはあると思っている。「おおげさだなぁ」「バカかよ」と笑ってくれて結構!私は本気だ!
橋下さんに煽られ、公務員バッシングに同調している人たちへ。
とりわけ、そこにいる非正規労働者の人たちへ。
たたかうなら、本物の敵とたたかおう!
たたかう相手は、そこにはいない。
☆椿☆
by hitokoto212
| 2012-02-02 23:50
| スタッフからのメッセージ